モラトリアムPTの備忘録

まだモラトリアムを抜け出せていない兵庫県で理学療法士をしている者のブログです

理学療法士が大学院に進学するということ

理学療法士となり,博士課程を修了しました.

まだ理想とは程遠いですが,疑問を研究デザインに落とし込む,データ計測,データ解析,データ解釈,論文作成,論文投稿,レビュワーとのやり取り等一連の過程を学ぶことができました.

 

学位をとるのはあくまで通過点,これからが本番です.この学びを生かしてさらに研究を進めているところです.アウトプットを継続し,今まで以上にアウトプットをしていきます.

最近は大学院にいくセラピストが増えてきておりあらためてそれについて考えてみました.

 

皆さんはどうして大学院に行くのでしょうか?行きたいと思うのでしょうか?

 

学位をとるためでしょうか?周囲が行っているから興味があるのでしょうか?研究手法を学ぶためでしょうか?ただ興味を追究したいだけでしょうか?大学院に行ってる人たちが変な人たちが多くて面白そうだからでしょうか?

 

理由は何でもいいと思います.私は最もらしい理由をつけて人前では話しますが,ただ単純に面白そうだから進学した言うのが正直なところです.論文作成過程において論理を突き詰める中で一つの作品を作っていくような,一本筋がが通った作品としての論文を書き上げた時のなんとも言えない高揚感,実験場面では誰も知らない世界を覗き込んだような非日常的な感覚が好きだったんだと思います.

 

そんな世界ですから,そこにいる人も世間でいえば変な人たち(私の中では最大級の誉め言葉です.嫌な気持ちになった方はすみません).毎日が刺激的です.それも理由の一つでした.

 

 

進学して修了を目指していれば論文作成過程は一通り学べます.問題はそのあとです.

在学中は期限がありますので研究を一生懸命やりますが,修了後は強制力もないし目標がなくなってしまう(学位をとることが目的になっていた場合そうなることが多いようですね).

 

学位をとっても給料は変わらないし,研究をしていれば批判はつきものだし,様々な人たちと共同研究をしていれば利害関係で苦慮することもあるし(私は院内データを使用する上でこれが一番しんどかった,上司との人間関係は重要ですね.自分でコントロールできないことは極力少なくする方がいいですね).まあ楽しいことはたくさん他にあるんですよね.在籍期間中は我慢することも多いでしょうし.

 

いずれにしてもこれだけの労力をかけておきながら世間での評価が他と同じということも何とかならんかなと思います.個人的には楽しく,ご機嫌に過ごしたいだけなのでお金のことは生活するに困らなければそんなに気にはしていませんが.

 

もっと学位をもっている人間が在学中の人よりもバリバリ業績を残して背中を見せていけるような環境や雰囲気になればいいなと思いました.