モラトリアムPTの備忘録

まだモラトリアムを抜け出せていない兵庫県で理学療法士をしている者のブログです

交渉力

f:id:oyanagi0731:20200603061629j:plain


今回はこちらの本を読みました.

大阪市長大阪府知事橋下徹さんの「交渉力」です.

 

維新の会を率いて大阪の政治を合理的かつ大胆に切り進めていた印象のある著者ですが,その際に用いていた交渉術に書いてあります.

 

交渉の肝は絶対に譲れないライン,譲歩できるところをはっきりさせること.お互いにこのラインを探ることが交渉の肝であるとのことです.

 

敵対的交渉と協調的交渉の2つのパターン,上記は協調的交渉のパターンです.

 

そして,具体的な交渉手法は「利益を与える」,「合法的に脅す」.「お願いする」の3パターンがあって,それぞれの力関係,立場,環境などでとるべき対応は変わります.実際の利益を与えなくても力関係では仮想の利益を与えることも可能です.

また,弁護士である筆者の「合法的に脅す」時の切れ味はそれは物凄い切れ味なんだろうと想像します.

ただ,政治という行為は市民生活において多岐に及びますので,専門外の知識を常にアップデートしなければ,関係各所の専門的知識を有する担当者とは渡り合えないでしょう.事前の準備が重要なのは言うまでもありません.それは相手の意図するところを耳前に予想するところまでを含みます.

 

この本は政治の矢面にたって様々な改革を行ってきた筆者の交渉術における一端をのぞける良書かと思います.改革すること・変化していくということのリアルをシンプルな原理・原則を元に話が進んでいきます.

 

過激な物言いに賛否のある筆者ですが,そういった感情論は抜きにして一読を進めたい1冊です.